当社のよくある質問についてブログにてご紹介しております。
今回は、「アルマイト後の寸法変化」についてです。こちらについては以前のブログ『当社のよくある質問④ 「アルマイト膜厚」について』と重複する部分アリです。
今回の質問は以下の通りです。
Q.アルマイト後の寸法が目減りして公差から外れてしまいます。アルマイト後の寸法変化について教えてください。
A.アルマイトはめっきと違い、10μm処理を行っても単純に径で0.02㎜増減するわけではございません。一般的な普通アルマイトは指定膜厚の1/3程度が寸法変化すると考えられております。
また、寸法減要因として『エッチング工程(アルマイト性を向上させるために既存の酸化皮膜を除去する作業)』や『製品凹凸による電気的な要因』がございます。
エッチングについては、アルミを溶かす工程であり、当社では片肉5/1000㎜~10/1000㎜(5~10μm)程度溶解すると認識して作業しております。こちらについては、各社仕様が違うので寸法変化に対するエッチング溶解量については注意が必要です。当社では一般的な苛性ソーダ+グルコン酸ソーダにてエッチング処理を行っています。
電気的な要因については、試作にてめっきほど顕著では無いですがアルマイト内径部においても外径部に比べて皮膜生成スピードが多少劣る事を確認しております。
以上の内容を考慮すると、当社では5~10μm狙いにおける普通アルマイト処理では処理前寸法に対し片肉-1~3μm、染色アルマイトは染色性を安定させるのに15~20μm必要ですので片肉3~7μm程度プラスになると考えそれぞれ処理に従事しております。
近年ではアルミの処理においても精度品が増え、寸法変化に関するお問合せが増えてきております。
めっきも含め、特殊工程に従事するにあたり、加工屋さんとの打ち合わせを円滑に進めるには図面記号や公差範囲を理解する事は必須と考えております。
YMCは手作業の強みを活かして顧客製品の出来上がり仕様が満足するよう心掛けて処理しております。
『めっきのことならYMC』、『アルマイトのこともYMC』
以上、よろしくお願いいたします!