硬質クロムめっきとは?

硬い!

  • 一般的な鉄(S45C)の4~5倍
  • ビッカース硬度800~1200(ロックウェル64~72相当)
    ※ めっき硬さは加工条件に由来します。
<一般的な表面処理皮膜の硬度>
めっき種 ビッカース硬度 備考
亜鉛 70~100
アルマイト 200~400 材質、加工条件による
電気ニッケル 400~500 添加成分による
無電解ニッケル 550~1000 ベーキング処理必要
硬質クロム 800~1200 加工条件による

※ 上記は参考値となります

摩耗に強く
離型性に優れる!

  • 摺動部(擦れる部分)で活躍
  • 製品を成形する分野(金型など)で活躍

当社の対応分野:印刷、建機、食品、産業機械 他

繰り返し使える!
(再生できる!)

  • 摩耗した部分(めっき部分)を肉盛り修正
    ※再製作費から約30~50%のコストダウンを実現

当社の硬質クロムめっきの
一押しポイント!

硬質クロムめっき品質を左右する磨きと精度

当社では、研磨‐めっき‐研磨の加工プロセスを社内で一貫して請け負う事が可能です。

硬質クロムめっきは、処理前後にバフ研磨をほどこす事で希望の面粗度に仕上げる事が可能です。黒目の輪郭が映るほど鏡面に仕上げた硬質クロムめっきは、文字通り鏡のように美しく、主に摺動する部分に使用されます。公差のあるロール・シャフト形状のものは、円筒研磨機で希望の寸法公差内に1/100~1/1000㎜精度で対応し、より精密な産業機械に搭載されます。硬質クロムめっきの円筒研磨はドレス(砥石を研ぐ作業)を細目に行わなければ焼き付いてしまい皮膜をだめにしてしまいます。機械といえど、その扱いは長年の経験を積んだ職人による腕がものを言います。

硬質クロムめっきを行っているめっき屋の良否はバフ研磨と円筒研磨機を扱う技術と言っても過言ではありません。

当社の長年培った技術を是非お試しください。

マスキングは効率的に、
欲しいめっきを欲しい部分だけに

当社のマスキングは治具設計から担っており、綿密な打ち合わせを元にコストと生産効率を考え施工します。硬質クロムめっきにおけるマスキングのアイデアは企業が積み重ねてきた技術の結晶とも言えます。量産品に比べ単品小ロット品はオリジナル治具を製作する必要があり、手間がかかれば単価が高くなってしまいますが、当社ではノウハウの蓄積によりご予算に見合った様々なご提案が可能です。

難素材にも硬質クロムめっき。
SKD、SUS、高炭素鋼、アルミ、
銅合金への対応

硬さを売りにしている硬質クロムめっきですが、その被めっき物自体も強度を得るために様々な添加物・焼き入れが行われております。これらへの硬質クロムめっきは前処理を適切に行う事で母材との密着性の良い皮膜を得る事ができます。
難素材へのめっきは失敗がつきもので職人の経験と勘がものを言いますが、当社では一度製品実現ができたものについてはめっき工程を標準化して新人でも作業できる体制を整えています。
難素材への硬質クロムめっきでお困りでしたら、なんなりとご相談下さい。

主要製品の工程フロー

ご依頼に際して

・めっき発注に関わる基本的な内容は以下URL(全鍍連HP)を御参照ください。
https://zentoren.or.jp/top/info/hattyuu.html

硬質クロムめっきは高い性能を誇りますが、他の電気めっきに比べ凹部へのめっき付きまわりが劣ります。通常処理すると、カバー形状や筒状の製品における内径部はほぼ無めっきとなります。無めっきは補助陽極の設置で解消する事ができますが、追加費用がかかります。見積もりの際は綿密に打ち合わせを行い、めっき特性をご理解の上、納品後にトラブルが無いようお願い申し上げます。

硬質クロムめっきに関する
よくある質問

装飾クロムめっきとの違いを教えてください。
装飾クロムめっきは下地に銅やニッケルめっきを施し、クロムめっきを最終表面に0.1~0.5μm色付け程度にめっきしたものです。クロムめっきの青白い光沢外観を装飾目的で扱ったものを「装飾クロムめっき」、めっき厚みを持たせクロムめっきの硬さや耐摩耗性を機能目的で扱ったものを「硬質クロムめっき」と呼びます。
6価クロムは使用していますか?
当社のクロム系めっき浴は全て6価クロムが主成分の無水クロム酸を使用しています。めっき皮膜は0価のクロム金属皮膜となり適切に後処理をする事でRoHS指令等に抵触するような6価クロムは検出されません。(※低温黒色クロムを除く)