「当社のよくある質問」についてブログでご紹介していきたいと思います。
今回のテーマは、「レイデント処理」についてです。
「レイデント処理」⇒「冷電鍍処理」とは、文字通り低温で処理されるクロム由来の黒色系皮膜の事です。独特の艶消し黒色で光吸収性に優れた皮膜が得られます。
よくある質問は以下の通りです。
Q.図面に「レイデント処理」と指定があるがYMCで処理できますか?
A.「レイデント処理」と銘打つものは当社では対応不可です。但し、代替え処理「低温黒色クロムめっき」で某機械メーカー様へ25年の納入実績がございます。
「レイデント処理」とは京都のレイデント工業様の専売特許であり、レイデント工業様以外で「レイデント処理」を施工するにはライセンス契約した業者でないと取り扱う事は出来ません。
詳しくはGoogleで「レイデント」と検索して調べてください。
類似のケースとしては、カニゼンめっきやタフラム処理も同様です。カニゼンめっきとは、日本カニゼン様の専売特許でありますので図面で商品銘柄を指定されても当社では取扱いが無く対応できません。タフラム処理はアルバックテクノ様の専売特許となります。
当社では、カニゼンめっきと同様の処理として上村工業製の無電解ニッケルめっきで25年以上の加工実績がございます。タフラム処理と同様の処理としては、奥野製薬製のフッ素樹脂含有アルマイトについて試作検討しております。
一概には言えませんが、図面に処理(商品銘柄)を指定されますと、一般的なめっき薬品で製品実現できるにも関わらず対応不可となり請け負えない事があります。
当社の「低温黒色クロムめっき」については以下の通りです。
1.0±5℃で低温処理された黒色クロムめっきです。
2.塗装コーティングはせず、めっきのみの処理となります。
3.艶消し黒色外観です。(処理後の皮膜を安定させるため油塗布が標準となります。)
4.膜厚は1~2μm程度。処理前後で寸法がほぼ変わらず艶消し黒色外観が得られます。
5.皮膜中の6価クロム含有1000ppmを越えます。(RoHS対応不可です。対応させるには別途後処理が必要です。)
⇒6価クロムとは環境規制物質です。詳しくはGoogleで「RoHS」と調べてください。
当社の事案として、「低温黒色クロムめっき」が「黒染め」の代替え処理として指定される時がありますが、皮膜性能においては全く異なるものとなるので予めご了承ください。
「黒染め」は液に浸す処理ですが、「低温黒色クロムめっき」は電気めっきですので加工賃も高くなります。
以上、よくある質問「レイデント処理について」でした。