当社のよくある質問についてブログにてご紹介しております。
今回は、「フラッシュめっき」についてです。質問は以下の通りです。
Q.硬質クロムめっき(ハードクロム)のフラッシュめっきとは何ですか?
A.前回のよくある質問でも少し触れましたが、端的に言えば「色がつく程度の薄いめっき」「膜厚1~2μm狙いのめっき」の事を指します。当社ではフラッシュ指定であれば短時間(5~10分)で「ズバッ!」っとめっきしております。(※低温黒色クロムめっきは1~2μm程度の膜厚を40分~1時間かけて処理します。こちらはめっきの特性でありフラッシュとはまた違った意味合いとなります。)
フラッシュめっきのコストメリットやリードタイムについても聞かれる事があります。
貴金属めっきであれば通常膜厚からフラッシュに仕様変更する事で費用削減する事は可能かもしれませんが、ニッケルやクロムなどの一般的なめっき種では大きなコストメリットは望めないと思います。
リードタイムについては通常のめっき(5μm)よりもめっき時間が短縮される分だけ早く処理が終わりますが、フラッシュであれ厚付けであれ治具取付および前処理工程は同じなのでそこまで大きな違いがあるわけではありません。但し、硬質クロムめっき(ハードクロム)のフラッシュであればバリ取りやバフ工程が必要なくなりますのでリードタイム短縮につながるかと思います。詳しくはお問合せ下さい。
めっき膜厚に関連した内容で、
「無電解ニッケルめっきは10μm以上つくんですか?」という質問も最近ございました。
無電解ニッケルめっきの厚付けはピット痕やザラに注意する必要がありますが、当社では中~高リンタイプの無電解ニッケルめっきにて10μmはもちろん20~30μmは日常的に処理を行っております。無電解ニッケルのタイプによっても回答が異なる質問ですが、一般的なものであるなら答えは可でございます。
当社の無電解ニッケルめっきは1時間あたり15μm析出で設定しているため、20~30μmの厚付けは1時間20分~2時間槽を占有します。厚付け品は上手にスケジューリングしないと他製品の生産量に影響しますが、当社ではめっき処理時間と処理の組み合わせを手作業で柔軟に操作できますので、膜厚指定品においても多品種小ロットはもちろん量産品でも短納期で対応できます。
無電解に関連して、PTFE含有無電解ニッケルめっきで厚付けが必要な場合は、「通常の無電解ニッケルめっき~~μm+PTFE含有無電解ニッケルめっき~5μm」といった形がメーカー推奨となっております。
鉄上の無電解ニッケルめっき膜厚については、精度高く測定できる装置を所有していますのでご希望の際は見積もり時にお伝えください。
アルマイト膜厚についても最近指定を受ける事が多くございます。
こちらについては注意点ございまして、当社の黒アルマイトはある程度膜厚がないと黒味が薄く青っぽく仕上がりますのであらかじめご了承ください。
当社の仕様では20±5μm(マイクロで片肉5~8μm程度)程度つけると染色具合が良好なようです。
アルマイト前加工寸法についてもご相談頂く事ございますが、材質/表面の粗さや状態によって膜厚生成スピードは変わってくるようです。同じ5052製品であっても形状や加工先が違えば全てが同じように仕上がるわけではありませんので、「痺れるような仕様/ものすごい精度品」に限っては実際に試作して確認する事を推奨します。当社としてもお客様と密に打ち合わせを行い、技術研鑽させて頂ければと考えております。
1月も最後の週でございますが、にわかに現場が活気づいてきたような気がします。
まだまだ先が未だ見えない状況ですが、少しずつ良くなっている気配はします。ポジティブに頑張っていきましょう。
よろしくお願いします!